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葉酸とはどんなもの?主要な効果の有無をリサーチしました

執筆者 : M.Mさん

サプリメントなどでも見かけることの多い「葉酸」。何となく「妊婦さんが摂ると良い」というイメージがありますが、具体的にどのような効果があるのか知らない方も多いのではないでしょうか。今回は葉酸について、そのはたらきや効果などを分かりやすく紹介していきます。

葉酸ってなに?

葉酸は別名ビタミンB9とも呼ばれる、ビタミンB群の一種です。ちなみに、ほうれん草の葉から発見された酸性物質であることから、葉酸という名前が付けられたようです。

葉酸は「妊婦さんが摂るべきもの」というイメージを持っている方も多いかと思います。このように妊婦さんが葉酸の摂取を推奨されているのは、葉酸が胎児の成長に必須のものであるためです。しかし、葉酸には他にも様々なはたらきがあり、妊婦さん以外にも、すべての人にとって積極的に摂取することがおすすめの栄養素であると言えます。

以下に、葉酸のはたらきや、効果的な摂取方法について説明していきたいと思います。

葉酸の効果、はたらきとは?

 

胎児の奇形リスクを低減する

葉酸は胎児の神経管の形成に必須であることが知られており、葉酸が不足すると神経管閉鎖障害の一つである「二分脊椎症」と呼ばれる先天奇形のリスクが高まると言われています。二分脊椎症とは、脊椎の骨の形成不全により、本来脊髄の中にある脊椎が体の外に飛び出してしまう病気です。この先天奇形を防ぐため、厚生労働省は2000年に「妊娠可能な年齢の女性に対しては、食品からの葉酸摂取に加えて、栄養補助食品から1日0.4mg(400μg)の葉酸を摂取すれば神経管閉鎖障害の発症リスクの低減が期待できる」といった旨の通達を出しています。

ここで重要なのが、この先天奇形の予防のためには妊娠前からの葉酸摂取が推奨されているということです。というのも、胎児の神経管の発達は母親が妊娠に気づくより前の、妊娠3〜4週に終わってしまうと言われています。そのため、妊娠を計画している女性は日頃から400μg/日の葉酸を摂取するようこころがけるのが良いでしょう。

大腸ガンのリスクを低減する

葉酸には、ガンの発症リスクを減らす効果があることも示唆されています。葉酸を400μg/日以上摂取していたグループでは、200μg/日以下摂取していたグループに比べて大腸がんの罹患率が有意に低下していたとの報告があります。また、葉酸入りビタミン剤を15年以上服用していた女性では、非服用女性に対して大腸がん発症リスクの明らかな低下が見られましたが、15年以下の女性では有意な低下は見られなかったということも報告されています。

参考:Giovannucci E, et al. Multivitamine use, folate, and colon cancer in women in the Nurses’ Health Study. Ann Intern Med 1998; 129:517-524

このような結果から、葉酸サプリを長期に服用することで大腸がんの発症リスクを抑えられるという可能性が示唆されています。

心血管疾患のリスクを低減する

心筋梗塞や脳梗塞といった心血管疾患は、動脈硬化、すなわち血管がかたくなったり脆くなる状態によって引き起こされます。その動脈硬化の原因と言えば、脂肪の摂り過ぎによる血液中の悪玉コレステロールの増加などが有名かと思いますが、その他にも血液中の「ホモシステイン」の増加が原因となりうるということが近年の研究で明らかになってきました。
ホモシステインとはアミノ酸の一種で、血管の内皮細胞に毒性をもっていることから、動脈硬化や血栓の生成の原因になると言われています。そのため、血中のホモシステイン値が高いと脳梗塞や心筋梗塞といった血栓症のリスクが高まるということが近年明らかになってきました。葉酸の摂取は、このホモシステインを減少させる効果があり、これらの疾患の予防となることが示唆されています。

例えば、葉酸とビタミンBの摂取で心血管疾患のリスクが減少したとの報告があります。この研究は約5万8千人の日本人を対象としたもので、葉酸やビタミンB類の摂取量により5つのグループに分類し、心疾患リスクとの関連性が調べられました。結果、葉酸やビタミンB6の摂取量が最も多いグループと最も少ないグループでは心疾患などによる死亡リスクに明白な差があるということが判明しました。

参考:日本生活習慣病予防協会HP:http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2011/001829.php

一方で、すでに発症リスクの高い患者の予防には効果がないとも言われています。例えば、血管疾患または糖尿病を有する55歳以上の患者に葉酸とビタミンB6, B12を含むサプリメントを摂取させても、心筋梗塞や脳卒中といった心血管イベントのリスクは減少しなかったという報告があります。

参考:Lonn E, et al, Homocysteine lowering with folic acid and B vitamins in vascular disease, N Engl J Med, 2006; 354(15): 1567-77.

そのため、葉酸の摂取はすでに発症している血管疾患または糖尿病などの治療効果を期待することはできず、あくまで予防目的で補助的に摂取するもの、と捉えておきましょう。

認知症のリスクを低減する?

先程説明した「ホモシステイン」ですが、近年、高ホモシステイン血症は心疾患などだけでなく認知症のリスク因子でもあるとの報告がされています。そこで、ホモシステインを減少させる効果をもつ葉酸は認知症の予防効果もあるということが示唆されています。

実際に、血液中の葉酸の値が低いと認知症の発症リスクが上昇したとの調査結果や、葉酸摂取により認知機能が改善したとの報告がいくつか発表されています。

しかし一方で、葉酸やビタミンBを摂取しても認知機能の改善効果は見られなかったとする結果も報告されています。そのため葉酸による認知症予防効果の有無に関しては、今後のさらなる研究の結果が期待されるでしょう。

うつ病を改善する?

うつ病の患者では、血中の葉酸値が健常人に比べて低いとのデータが近年多数報告されています。
また海外で行われた実験で、大うつ病の患者に対して、10日間<抗うつ薬+葉酸>を投与したグループでは、同様に<抗うつ薬+プラセボ>を投与したグループに比べて、女性グループでのみ抑うつ症状が有意に改善したとの結果が出ています。

参考:Coppen A, Enhancement of the antidepressant action of fluoxetine by folic acid: a randomised, placebo controlled trial, J affect Disord, 2000, 60(2): 121-30.

このように、葉酸を積極的に摂取することで抗うつ剤がより効果的になるという結果が示唆されていますが、葉酸の抗うつ効果についても現在解明が進んでおり、さらなる検証結果が期待されています。

どんなものに含まれているの?

葉酸は、ほうれん草や菜の花、モロヘイヤ、ブロッコリーなどの葉の多い緑の野菜に多く含まれています。また、枝豆やそら豆といった豆類も含有量が多く、おすすめの食品です。野菜以外であれば、鶏や牛のレバー、納豆などの食品にも葉酸が豊富に含まれています。

通常のバランスの良い食事を摂っていれば葉酸が不足することはあまりないと言われていますが、妊娠を考えている女性などでは、これらの食品や、葉酸サプリメントを積極的に摂ることがおすすめです。

葉酸摂取時の注意点

 

厚生労働省では、葉酸の摂取量は18歳以上の男女では240μg/日を推奨量としており、また先述の通り、妊婦では400μg/日の摂取が勧められています。葉酸は、摂りすぎることによる危険性は少ないとされていますが、稀に、過剰接摂によって過敏症(発熱、じんましん、かゆみなど)が起こることが知られていますので、1000μg/日以上の極端な過剰摂取は避けましょう。

また、葉酸は一部の抗がん剤やてんかんのお薬などと飲み合わせが悪いことが知られています。病院で薬をもらっている方は、葉酸のサプリメント等を始める際はかならず医師に相談するようにしましょう。

最後に

葉酸には、妊婦の胎児奇形リスクの低減だけでなく、生活習慣病などのさまざまな疾患を予防する可能性があることが近年示唆されてきています。葉酸を食事で補充するにはほうれん草やレバーといった食品をたくさん摂ることが推奨されていますが、毎日食事で摂るのは難しいという方は、効果的に葉酸を摂取できるサプリメントもオススメです。

妊娠を考えている方、生活習慣病が気になるという方・・・、今から気軽に取り入れられる葉酸で、病気の予防を始めてみてはいかがでしょうか。

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M.Mさんプロフィール

・略歴
札幌生まれ
東京大学薬学系研究科 在籍

・自己紹介、意気込み
現在薬学部で研究活動を行っています。栄...
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